Controllers
ビューについていくつかふれてきましたが、しかしそれは iOS SDK が使用する "Model-View-Controller" パラダイムの 1 つです。MVC は複雑に聞こえますが、実際には非常にシンプルです。
それはコードの中に、ビュー (みなさんは既にそれを使いました)、モデル (データを表現し、処理します)、そしてコントローラの 3 種類のクラスを持っているべきという考えです。
それでは、コントローラとは何でしょうか?コントローラはモデルとビューの間の層として動作するオブジェクトで、ユーザからのイベントに応答しモデルの変更やビューの更新を行います。とても良く書かれたコードでは、ボタンをタップしたときに、コントローラはイベントを奪い、データのプロパティを更新し、新しいデータを反映するためにビューを変更します。
「全体像」の類いのように聞こえますが、コントローラにはいくつか本当に実用的なことがあります。
- ビューの再利用. 投稿に関する情報
Post(投稿内容、投稿者、"Likes" など) をすべて表示するPostViewを考えてみましょう。メインのフィードやユーザプロフィールフィードなど、異なる画面でこのビューを使用したいです。ビューを再利用できるように維持するため、PostViewは情報を取得する方法を扱うべきではありません。その代わり、コントローラでそれを処理し、処理されたデータをビューへ渡すべきです。 - プレゼンテーションの管理. 画面全体を取り扱うビューが欲しいときもあれば、同じことをモーダルボックスに表示するものが欲しい場合があります (iPad と iPhone を考えると)。プレゼンテーションのスタイルだけが異なる、まったく同じ 2 つのビュークラスを記述することは賢明ではないので、コントローラを使いビューにあわせてリサイズやアニメーションを行います。
MVC についてモデルとビューで技術的に難しいことはありません。もしみなさんが MVC を採用すれば、より強固で管理が容易なコードとなることでしょう。
iOS の世界では、コントローラは UIViewController です。UIViewController には 1 つの view プロパティとビューのライフサイクルのようなことを対処するためのメソッドがあり、またデバイスの向きの変更 (横向きから縦向きへ変更など) を対処します。焦らないでください、私たちはすぐにそのライフサイクルに取りかかります。
コントローラが何か、それがすべきことが何かを知りました。では、何を すべきではない のでしょう?
- データを直接参照したり、保存すること。コントローラで HTTP リクエストを送信することは魅力的ですが、これらはモデルで行うのがベストです。
- 複雑なビューレイアウトを扱うこと。もし、コントローラの
viewに 1 つ以上のサブビューを直接追加しているのでしたら、ビューでそれを行うようにビューを書き直すべきです。コントローラに書かれているaddSubviewはself.view.addSubviewだけというのが、良い経験則です。
OK、説明は終わりです。マイケル・ベイ監督がアクションを撮影する時間ですね。
Everything Is Under Controllers
./app/controllers ディレクトリを作成し (mkdir ./app/controllers)、TapController.rb ファイルをディレクトリ内に追加します。さぁ、次のようにコントローラを書き始めましょう。
class TapController < UIViewController
def viewDidLoad
super
self.view.backgroundColor = UIColor.redColor
end
end
viewDidLoad は UIViewController のライフサイクルを形作るメソッドの 1 つで、self.view で示されるビューが作成され、サブビューが追加できるようになると呼び出されます。今日のところは、赤い背景色のビューとしておきましょう。
皆さんは、絶対、問答無用に viewDidLoad で super を呼び出す必要があります。そうでなければ、良くないことが起こるでしょう。分かりました?
さて、AppDelegate へ戻り、以前の UIView のコードを削除しましょう。私たちは 1 行追加する必要があり、次のようになります。
class AppDelegate
def application(application, didFinishLaunchingWithOptions:launchOptions)
@window = UIWindow.alloc.initWithFrame(UIScreen.mainScreen.bounds)
@window.makeKeyAndVisible
# This is our new line!
@window.rootViewController = TapController.alloc.initWithNibName(nil, bundle: nil)
true
end
end
rootViewController= の呼び出しが分かりますか? window が先ほど定義された UIViewController を受け取り、window にフィットするようにその view のサイズを調整します。これは、window をセットアップするための良い方法です(window.addSubview とは対照的に)。
追加した行でほかに新しい部分は initWithNibName:bundle: です。一般的に、これは NIB ファイルからコントローラを読み込むために使われます。NIB は Xcode の Interface Builder を使うことで作られます。私たちのコントローラのためには Interface Builder を使っていないので、2 つの引数の両方に nil を渡すことができます。
initWithNibName:bundle: は UIViewController のイニシャライザでもあります。コントローラを作成するたびに、このメソッドを呼び出します。
エディタを邪魔にならないところにどけておいて、rake を実行してチェックしてみましょう。次のように表示されます。

大事は小事より起こります。さぁ、コントローラに小さな変更を行いましょう。
def viewDidLoad
super
self.view.backgroundColor = UIColor.whiteColor
@label = UILabel.alloc.initWithFrame(CGRectZero)
@label.text = "Taps"
@label.sizeToFit
@label.center = CGPointMake(self.view.frame.size.width / 2, self.view.frame.size.height / 2)
self.view.addSubview @label
end
ワイルドな UILabel が登場です!UILabel は text プロパティで静的なテキストを表示するためのビューです。テキストに "Taps" を設定し、サブビューとしてそれを追加しています。
画面に表示するテキストの正確なサイズがまだ分からないので、UILabel を初期化するときに、CGRectZero を frame に使います。しかし、sizeToFit を呼び出すと、内容に合わせて完全にフィットするようにラベルがリサイズします。そして便利な center プロパティを使い、ラベルをコントローラのビューの中央に揃えます。
楽しいアプリのために、再び rake を実行します。今のところアプリは・・・何もしませんが、それは次の章で。

Wrap Up
今回、学んだことは何だった?
- iOS SDK は Model-View-Controller を使います。
UIViewControllerはコントローラの一部を作成し、カスタマイズのためにUIViewControllerのサブクラスを作ります。- コントローラをセットアップするときには
viewDidLoadを使い、*super* を呼び出しておくことを忘れてはいけません。 UIWindowはコントローラを表示するためにrootViewControllerプロパティを持ってます。